医師に聞いた髪の役割とその構造とは?

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あらなみクリニック院長(慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師)でありAGAに関する書籍の著者でいらっしゃる荒浪先生にAGA・薄毛・若ハゲに関するお話をお伺いしました。

筆者紹介山さん大手エステチェーン2社にて店舗開発の責任者として200店舗以上の出店業務を担当。美容業界専門行政書士・AJESTHE美肌エキスパート(日本エステティック協会)小池現役看護師 自分の体に強いコンプレックスを感じ、各種二重整形を始め様々な整形術・ダイエットを行った経験を持つ

髪は見た目だけでなく、頭を保護するためにある

薄毛対策を自分自身で行うために、髪の毛とは何かについて、知っておく必要があります。哺乳類の毛というのは、は虫類のうろこや、鳥類の羽毛と起源がほぼ同じで、皮膚が角質化することによって生まれたものです。つまり、人間の髪の毛も、皮膚の一部が変化したものです。3つの働きがあると考えられています。

1つ目の働き

日光や熱、紫外線のような物理的刺激、そして頭部の打撲などの物理的衝撃から、大切な頭部を保護することです。

2つ目の働き

体にとって不必要な物を髪の毛を通して体外に押し出すことです。人間の体にとって有害な重金属類、水銀やカドミウム、ヒ素、鉛、銅などは、微量ながら普段の食事を通して、人間は摂取しています。

それらの有害物、不要物は、普通、毛髪、体毛、そして汗などを通して体の外に排出されます。体内に入ってしまった有害物、不要物は、いずれ頭から抜け落ちてしまう頭髪に移動させることによって、身体を守っています。

体中の有害物を蓄積し、それを体外に排出するという大切な役割をもっている髪の毛ですが、それが薄くなったり、なくなったりすると、排出するためのもの、蓄積するものがなくなるわけですから、その人の健康にとっては大きな悪影響を及ぼすことになります。

3つ目の働き

ヘアスタイルを変えると、その人の印象が変わったり、気分があがったりすることです。そのように、とても大切な装飾機能があります。

顔の周りの髪の毛は、顔の輪郭を明確にし、全体の印象に強いインパクトを与えます。女性だけでなく男性も、ヘアスタイルの変化を楽しむことができるのは、人間だけが楽しめる、とっても大切なことです。

髪の毛の構造とは?

髪の毛は、硬質たんぱく質であるケラチンというものからできています。同心円状の三重構造になっています。巻きずしのようなものを想像していただけるとわかりやすいと思います。

巻きずしの具、つまり中心部が、髄質(毛髄)、具を取り巻く酢飯の部分にあたるのが、皮質(毛鞘)、一番外側の海苔にあたるのが、毛表皮(クチクラ、あるいはキューティクル)と呼ばれています。

髄質とは?

メラニン色素や脂肪を多量に含有しています。その中の空気の泡が、髪の毛の弾力に影響を与え、熱などの刺激から頭部を保護してくれます。

一般的に、年を取るにしたがい、髄質は太くなりますが、残念ながら、強度は弱まります。また、髪の毛によっては、髄質がないものや、髄質が根元から先までつながっていないものさえ出てきます。

皮質とは?

髪の毛の中で一番大切な働きをする部分が、皮質です。みっちりと詰まった繊維状のたんぱく質が、髄質を覆い、守っています。皮質も、多量のメラニン色素が含有しているので、その多寡によって髪の毛の色が決まります。それだけでなく、地肌を紫外線から保護してくれています。

キューティクル

「キューティクル」という言葉は、CMなどで聞かれたことがあると思います。キューティクルとは、毛表皮のことで、薄い無色透明のたんぱく質です。

毛表皮は、髪の毛の根元から毛先に向かって、鱗片状または屋根瓦のように何層も重なっています。CMで、模式図を見られたことがある方も多いと思います。1枚のキューティクルの長さは、80~100ミクロン、厚みはなんと0.5~1ミクロンです。そんな小さなキューティクルですが、様々な刺激から髪の毛を保護してくれています。