医師が語る「行ってはいけない薄毛発毛サロンと病院の見分け方」

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あらなみクリニック院長(慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師)でありAGAに関する書籍の著者でいらっしゃる荒浪先生にAGA・薄毛・若ハゲに関するお話をお伺いしました。

筆者紹介山さん大手エステチェーン2社にて店舗開発の責任者として200店舗以上の出店業務を担当。美容業界専門行政書士・AJESTHE美肌エキスパート(日本エステティック協会)小池現役看護師 自分の体に強いコンプレックスを感じ、各種二重整形を始め様々な整形術・ダイエットを行った経験を持つ

詐欺のような薄毛発毛サロンは絶対許せない

発毛には、高額な費用をかけなくてもよいと書きました。ちなみに、薄毛治療をうたっている医院のホームページをチェックしたことがありますか?薄毛治療にも、発毛治療にも値段の表記がない医院が多いです。「カウンセリングはこちら」というボタンがあっても、値段が不明瞭だとしたら、やり口は、怪しげな発毛サロンとなんら変わらないということになります。

「お気軽にご相談ください」も要注意

それを見てサロンに行くと、カウンセリングルームで有無も言わさず、高額な契約を強いられたというケースも聞きます。値段が不明瞭なのは、明記すると来る人がいなくなる恐れがあるからと考えざるを得ません。

「初回100本無料」などを見ると、無料なら試しにやってみようかと思いますよね。まぁ、当然です。ところが100本というのは1日に抜ける本数です。全体に薄毛なら、局所的に100本植えると、逆に不自然極まりないものになります。

薄毛発毛サロンは、料金をしっかり明記しているところしか行かない

その場合、結局、すべてをするよう勧められて、高額を支払わざるを得なくなります。ただほど高いものはない、になります。初回がいくらかより、トータルでどのぐらいかかるかをきちんと明記している病院・サロンは安心できます。そこが見極めポイントの一つになると思います。

カウンセリングに行く前に、確認することも大事です。こんな方もいます。その方はしわ取りだったのですが、ネットで安いところを探して行ったら、結局70万円かかると言われ、あきらめられましたが、その後、当院にて10万円程度で施術を受け、満足していただきました。

カニ1000円商法

よく道路沿いに「カニ1000円」という看板を出して売っている車がいます。「おっ、安い!」と車を停めたら、1000円のカニは見るもみすぼらしくて、結局高いカニを買わされたということがあります。さきほどのしわ取りの医院では、「安いのもありますが、それだと1ヶ月しか持ちませんよ」と高額商品を勧められたらしいです。

「高いほうが治ります、安い方は効果が持続しません」と言われたら、素人である私たちは、その言葉を信じるしかないですよね。安い商品で釣っておいて、最終的に高い商品を買わせるという方法は、医院もサロンも、先ほどのカニを売るトラックも同じです。

激安サプリ商法

また、こんな例もあります。激安サプリを1ヶ月申し込んだら、「次回からは、通常料金で半年以上の契約が必要です」と言われ、仕方なく、契約をしたという話も聞きました。このように、詐欺同然の方法でものを売るという業者が、どの業界にもいます。もちろん、正直な業者もいますから、そこをきちんと見分けましょう。

いい薄毛治療クリニックと悪いクリニックを見分ける4つのポイント

育毛、発毛は医者に任せなさいと書きました。では、いいクリニックと悪いクリニックはどのように見極めればいいのでしょうか?いいクリニックの条件とは、以下の通りです。

  • 値段を明確に示している
  • 体験談に真実が書いてある
  • 電話対応がきちんとしている
  • 実際の施術に使う薬剤や器具を見せる

以上の点をクリアできれば、いいクリニックと言えるでしょう。逆な場合は、大丈夫かなと疑ったほうがいいと思います。特に4番目の薬剤を見せてくれるかについては、最新の施術をしても安価な薬剤で済ませることもできるからです。

先ほど書きました化粧品の値段と同じことで、栄養ドリンクでも、高いほうが売れるらしいです。買う方の心理として、より高いほうに効き目があると思うのは当然です。同じシリーズの中で、値段の差ほど中身に差がない場合もあります。だから、効果が劇的に変わるわけではないです。

シャンプーでも同じ

中身はほぼ同じで、パッケージを変えて、値段を上げます。メーカーのイメージ戦略にまんまと引っかかったわけです。出版業界でさえ、同様だそうです。辞書と競馬関連の本は高いほうが売れるらしいです。安いとなにか信用できなく感じるのでしょうか?そういえば、競馬新聞って高いですよね?

最新の発毛治療ではどうか

では、最新の発毛治療では、どうでしょう?やはり、安いと、薬剤に問題があったり、粗悪品だったり、希釈しているのじゃないかと思われるかもしれません。でも、問題はありません。どの医院でも、同じ薬剤を使っていても、料金に差があるのは、病院の儲け率だけの話です。

後述します発毛に効果のある「ハーグ療法」や、「ヘアフィラー療法」では、どの医院でも同じ薬剤を使うはずですから、怪しいものを使っていない限り、価格設定が安いところの方がお得といえるかもしれません。そこのところの見極めが大切です。

悩める薄毛患者の心のスキに入るのはやめてほしい

少し前まで発毛はできなかった

薄毛に悩む人が世界中にいるわけですから、医師や製薬会社が競って、研究を続けていますが、10年前までは、医学的に、発毛させることは無理だったので、患者さんには、「できません」と言わざるをえませんでした。

しかし、医学の進歩とはすごいものです。「プロペシア」という商品名の抗男性ホルモン剤「フィナステリド」が開発され、「抜け毛を減らせる」「発毛も、ある程度までなら可能」というところまで進歩しました。今では、患者さんに、「ある程度なら可能」と言い切れるようになりました。医者として、本当にうれしいことです。

ついには発毛も実現可能に

さらに進歩は続き、「ミノキシジル内服薬なら、副作用があるけれど、発毛の可能性は高くなる」「ハーグ療法なら、心配することなく、かなりの可能性で発毛する」となりました。

2017年には、「ヘアフィラー療法なら、発毛の可能性がアップします」「漢方生薬やある種の植物、ビタミンとミノキシジルとの併用で、副作用を減らして発毛させることができます」と患者さんに伝えることができるようになりました。

それぞれの治療法についての詳細は、別途書きますが、現代では、「医学で薄毛治療が可能です」と言い切れます。にもかかわらず、「ニセ医学」「ニセ情報」が幅を利かせています。そして、たくさんの人を惑わせているのです。

注意すべき薄毛発毛サロンやクリニックのニセ医学とは

社会問題とまでなっているニセ医学とはどんなものでしょう?効果が立証されていない治療法を、ねつ造された体験談や、科学的に見えるような、でも実は根も葉もない根拠を示して、有名人などを使った広告で、効果を信じさせ、高額な治療費をだまし取る方法です。

ニセ医学の一番の被害者は、がん患者さんかもしれません。なんとしても治したいという思いが切実ですから。

元NHKアナウンサーの絵門ゆう子氏は、ご自身の著書「がんと一緒にゆっくりと あらゆる治療法をさまよって」(新潮社)の中で、手術と抗がん剤治療を拒否し、末期がんで病院に見放された後、「がんが完治した」という経験者が経験された、様々な治療法を試されたことを書いておられます。

宇宙エネルギーを取り込める布団100万円

ピラミッドパワー温灸器15万円、波動ネット17万円、制がん剤成分と言われるアミダグリン(びわの葉成分)エキス入り掛け布団20万円、遠赤外線マット17万円、マイナスイオン空気清浄機30万円、がんに効く健康食品月10万円。これ以外にも薬草や気功。

この努力を笑えるでしょうか?どんな治療法でも、「治った」という体験談が華々しく書かれています。がん患者さんにすれば、命がけですから、たとえ高額であっても、たとえダメ元でもと思ってワラにもすがる思いなのだと思います。でも、すべてが効きませんでした。

医者としてのプライドを持ってほしい

医者として恥ずかしいばかりですが、このようなニセ医学の一端を医者自らが担っているという現実があります。がん治療のための代替療法ほどひどくはないにしても、発毛や育毛に対してもニセ医学が幅を利かせています。発毛、育毛治療に関わってきた医者として、患者さんが、誠実な医院やサロンに出会えることを願わずにはおれません。