FAGAとは、Female Androgenetic Alopeciaの略で、女性男性型脱毛症を指します。女性版のAGA(男性型脱毛症)ですが、男性のAGAとは異なり、女性にしかみられない特有の特徴や症状があります。
女性のAGA治療において、内臓疾患や栄養障害、頭皮の皮膚炎などによる二次的な脱毛の場合、脱毛の原因になっている疾患を治療することで脱毛症状が早期ならば回復する可能性があります。
そのため原因となる疾患があるかどうかの検査は重要です。男性型脱毛症は早期であれば可逆性の脱毛ですが、晩期になると小さくなってしまった毛包は治療が難しくなっていきます。
女性のFAGAの治療法、外用療法とは
女性のびまん性脱毛症の治療の主体はいわゆる育毛剤による外用治療です。外用剤は2種類に大別できます。まずは毛成長の環境を整えるタイプです。これは血管拡張作用、皮脂抑制作用などがあります。
もう一つは毛を作る細胞に直接働きかけるタイプです。これは毛成長に直接関連することが明らかな因子を含んでいる薬剤です。女性に対してもっとも効果が明らかなものはこの両方の作用を有するミノキシジル溶液です。これは日本皮膚科学会の「診療ガイドライン」では第一選択の治療薬です。
日本では2005年に1%ミノキシジル溶液が女性用OTC(一般用医療品)として承認・発売されましたが、海外では2%溶液の1日2回塗布、5%溶液の1日1回塗布が女性用として販売されています。
血管拡張作用とともに、毛乳頭細胞や毛母細胞の細胞分裂活性作用がわかっています。これらの作用により毛の成長期が長くなり、休止期毛が成長期へ誘導されて頭髪密度が増加し、毛が太くなる効果が現れます。男性ホルモンや女性ホルモンに関わる作用はありません。
ただし、こちらの記事(医師が語る「発毛特効薬ミノキシジル!若い女性の摂取は要注意!!」)にも書きましたが若い女性の大容量のミノキシジルの摂取にはくれぐれも注意して下さい。
女性のFAGAの治療法、内服療法とは
保険が適用される確立した内服療法はありません。内服療法は外用剤の使用で効果が得られないときや、外用療法の補助的な治療方法として検討します。
副作用に抗男性ホルモン作用を有する薬剤として、スピロノラクトン、シメチジン、デキサメサゾン、経口避妊薬、女性ホルモン補充療法などが知られています。しかし毛の成長が促進された客観的な検証は不十分です。
いずれも主作用による健康被害が生じる可能性があることを医師は患者に十分説明したうえで実施する必要があります。また、漢方薬も毛成長への影響が客観的な方法として評価は定まっていませんが、外用剤と併用した場合に効果的であるとされています。
2005年に5sリダクターゼの抑制作用がある男性型脱毛症の内服治療薬であるフィナステリド内服薬(プロペシア)が発売されましたが、これは更年期の女性への有効性はなく、副作用だけが発生してしまうために女性の使用は禁止されています。
女性のFAGA対策として最適な薄毛治療は?
できれば、早期のうちに女性向けの薄毛治療に対応した、AGAクリニックでのカウンセリングを受けることをお薦めします。
女性の場合、男性のAGAとは異なり薄毛の変化が多様です。原因も多岐にわたっているものが多く、そのために将来の毛の分布など毛成長のパターンが予測できずに外科的療法は不適当なことが多くなります。
まずは外用療法や内服療法を医師の指示のもと、しっかりと取り組み、それでも不足と感じた場合には、義髪・付け毛・パーマ・カラーリングなどによるカモフラージュが行われているようです。