医師が語る薄毛・AGA対策のミノキシジルはなぜ危険なのか?実際にあった副作用体験談

本ページはプロモーションが含まれています。
あらなみクリニック院長(慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師)でありAGAに関する書籍の著者でいらっしゃる荒浪先生にAGA・薄毛・若ハゲに関するお話をお伺いしました。

筆者紹介山さん大手エステチェーン2社にて店舗開発の責任者として200店舗以上の出店業務を担当。美容業界専門行政書士・AJESTHE美肌エキスパート(日本エステティック協会)小池現役看護師 自分の体に強いコンプレックスを感じ、各種二重整形を始め様々な整形術・ダイエットを行った経験を持つ

実際にあったミノキシジルの副作用体験談

ある方のミノキシジルによる副作用の体験談をご紹介したいと思います。その方は、もともと細い髪の毛でひげや体毛も薄かったそうです。ミノキシジル内服薬を個人輸入し、1ヶ月ぐらい飲むと、明らかに髪の毛は太く強くなり、ヒゲも体毛も濃くなったそうです。本人が言うところの「剛毛」です。

効果を強く実感されたこの方は、さらに内服薬を砕いてお湯に溶き、頭にも塗ったらしいです。その効果たるや抜群で、その後も発毛しましたが、一方で、のぼせ、むくみ、動悸がひどくなり、さらには激しい頭痛と動悸で眠れなくなり、死ぬかと思ったそうです。それでそのことを中止されました。

止めると、薄毛に戻る

止めると、薄毛に戻ってしまいますから、当院に、当時新医療だったハーグ療法を受けに来られました。ミノキシジルは効果も高いですが、量を増やせば当然、副作用も増えます。ハーグ療法と併用という形が効果的ですので、当院では効果を高めたい方に、副作用が最も低い2.5㎎のミノキシジル内服薬を、ハーグ療法施術中、お分けすることがあります。

この方は、「たとえ無料でも、二度と飲みたくない」と固辞されましたので、よほどひどい体験だったのでしょう。

ミノキシジルは高くても薄毛・AGA対策用のクリニック・病院で処方してもらうべき

海外個人輸入の場合、実際送られてくるまで、どのような程度のどのようなものかがわからないのが実情です。ミノキシジルを内服したいなら、医師か、正規の機関が輸入したものを、医師の管理を受けながら飲むべきです。命にかかわることですから、発毛効果のみに注意を取られて、大量に飲むのは厳禁です。

フィナステリドの海外の製品をネットで購入し、服用した男性の、「髪も生えたが、胸も膨らんできた」という体験談が週刊誌に載っていました。男性ホルモンの過度の抑制で乳房が女性化したと考えられます。ミノキシジルもフィナステリドも、やはり、医師に処方されたものを医師の管理の下で飲むことが大切です。

薄毛・AGA対策になるミノキシジルはなぜ危険なのか?

ミノキシジルはもともと降圧剤であったことは有名です。では、ほかの降圧剤にも同様の発毛効果があるのでしょうか?発毛効果があるのは、ミノキシジルだけです。それはなぜでしょう?ミノキシジルには、強力な動脈血管拡張作用があり、それで末端の毛母細胞までたくさんの血流が送られ、発毛の効果が表れるのです。

動脈は広げても静脈は広げない!

ただし、ミノキシジルには、動脈血管拡張作用がありますが、静脈血管拡張作用がありません。つまり、拡張された動脈によって大量に流れた血流は、拡張されていない静脈を通って心臓に帰るわけですから、心臓に強い負担がかかります。その結果、心拍数の増加、不整脈、動悸などが起こりやすくなります。

ミノキシジルは、発毛剤として脚光を浴びていますが、降圧剤としてはどうでしょう?実は降圧剤としては、内科では使われていません。なぜなら、先ほどの理由で心臓に負担がかかりすぎるからです。動脈血管拡張作用は、当然ミノキシジルが増えれば大きくなります。ミノキシジル量を増やせば発毛量も増える代わりに、副作用も増えます。

最低容量2.5mgからスタートするべき

ミノキシジルで血圧を下げるには、大容量のミノキシジルが必要になりますが、そうすれば当然、心臓の負担が増えるため、内科では使用されていません。当院では、他の療法との併用という形で、最低容量2.5mgを飲んでいただいています。もちろん、しっかり管理を受けながらです。

このミノキシジルは、実際には塗布するより内服する方が効果的です。増毛術をされた芸能人がたくさん飲んでいるとも聞きます。しかし、日本皮膚科学会では、内服は推奨していません。命に係わることなので何度も書きますが、副作用があるからです。

ミノキシジル内服薬は国内では医療機関のみ処方可能

ミノキシジルが入った塗布薬は、日本では厚労省の認可を受けて販売され、日本皮膚科学会も推奨しています。一方、内服薬は、欧米とは異なり、承認されていません。ほとんどの皮膚科医は、ミノキシジル処方に消極的ですが、美容外科では、以前より処方されていました。

ミノキシジルは、副作用を考慮に入れないなら、塗布より内服の方が効果的です。そして、フィナステリド(プロペシア)より効きます。現在、美容外科等では、ミノキシジルを発毛特効薬として処方されています。確かに効きますし、薄毛改善には効果抜群です。

当院では、ミノキシジル内服は危険であると、処方を見送っていましたが、美容外科のたくさんの症例を見て、低容量なら問題は少ないとわかり、処方を始めました。できるだけ、少ないミノキシジルで効果を得るため、他の漢方生薬などを併用し、効果を上げるようにしています。

自身のミノキシジルの容量は把握しておきましょう

他の医院で処方されている方は、ご自身が服用しているミノキシジルの容量をチェックしておきましょう。たとえ、小容量でも、連続服用は、心臓への負担が積み重なりますので、可能ならやめられるようにしたいものです。

発毛を維持するために、ミノキシジルを服用し続けるのは、やはり問題があるので、長期間連続服用しても安全な薬を、日々研究しています。