薄毛やAGAの対策!医師に聞く「育毛サイクルと髪の生える仕組み」とは?

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あらなみクリニック院長(慶應義塾大学漢方医学センター非常勤講師)でありAGAに関する書籍の著者でいらっしゃる荒浪先生にAGA・薄毛・若ハゲに関するお話をお伺いしました。

筆者紹介山さん大手エステチェーン2社にて店舗開発の責任者として200店舗以上の出店業務を担当。美容業界専門行政書士・AJESTHE美肌エキスパート(日本エステティック協会)小池現役看護師 自分の体に強いコンプレックスを感じ、各種二重整形を始め様々な整形術・ダイエットを行った経験を持つ

薄毛やAGAの対策!髪の毛はどのようにして生えるのか?

「毛包」と「毛球」

髪の毛はどのように生えるのか、その仕組みについて考えてみましょう。髪の毛の皮膚より上に出た部分を「毛幹部」といい、皮膚より下にある部分を「毛根部」と言います。

さらに、毛根部は、髪の毛を作り出す「毛包」と呼ばれる組織と、その最下部の玉ねぎのように膨らんだ「毛球」という部分に分かれます。「毛球」は髪の毛の製造工場のようなもので、一番大切な部分です。

髪の毛の司令塔「毛乳頭」と「毛母細胞」

さらに毛球には、「毛乳頭」と「毛母細胞」があります。それらの言葉は、育毛剤のCMで聞かれたことがあるのではないでしょうか?毛乳頭は、栄養分を、毛細血管から毛母細胞へ送ると同時に、髪の毛の生成についての指示を出す働きをするので、別名が「髪の毛の司令塔」です。

毛母細胞は、髪の毛生成の指示を受け取ると、毛乳頭から栄養分を吸収し、細胞分裂を繰り返します。これによってここで、ケラチンがどんどん作られると、毛母細胞が大きくなり、ケラチンが髪の毛になり、毛根部よりさらに上に押し上げられ、表皮から上へ突き出し、髪の毛(毛幹)になります。

育毛剤のCMの中でよく言われる「血行の促進」とは、毛細血管の中を流れる血液、ひいては毛母細胞に送る栄養分を増やすということです。

血液を増やすとどうなるのか?

血液を増やすことによって、毛乳頭に血液(栄養)がたくさんいきわたります。もしそうでなければ、最終的に、髪の毛を伸ばせないことになります。こういうわけで、血行促進が大切なのです。毛乳頭や毛母細胞の働きを高めることは、髪の毛を太く、丈夫にすることになります。

髪の毛が成長する速さは、だいたい1日当たり0.3~0.5㎜、1年間で約15㎝です。一方、髪の毛が生えてくる毛根の数は、遺伝によって決まっていて、基本的に生涯変わりません。

薄毛やAGAの対策!健康な髪が生えるのに必要な条件とは?

以上のことを考え合わせると、健康な髪の毛が作られる条件とは何でしょう?毛根部に毛包、毛乳頭が存在することは最低必要条件です。それらが良好な栄養状態で、血行がスムーズで、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がたっぷりと毛母細胞に送られることは欠かせません。

その上、タンパク合成酵素があり、それがちゃんと働く環境が整っていること、つまり、自律神経やホルモンに異常がないことも大切です。これらすべてがそろって初めて、健康な髪の毛を生成、成長させることができるのです。

どうすれば髪の毛が成長するのか?

髪の毛が成長するとは、どんなイメージですか?髪の毛が上にどんどん伸びていく感じですか?でも実際は、毛根部の毛乳頭で、細胞分裂によって髪の毛が生成され、それが押し出されて行くことです。それが伸びていくように見えるのです。

髪の毛は、爪同様、肌の角層が変化してできたものですので、死んだ細胞の集まりです。だから、切ったりしても痛みは感じませんが、いったん傷がつくと、修復は望めません。

毛乳頭は、血液中の栄養を取り入れて、髪の毛が成長します。だから、不規則な食事や偏食を避け、規則正しい、バランスのとれた食事を摂ることによって、毛乳頭に十分な栄養を送るようにすることが大切です。

薄毛やAGAの対策!育毛サイクルとは?

人間の髪の毛というのは、生えてからずっと伸び続けるわけではありません。決まった成長期間が経過すると、成長はストップし、毛根からさらに押し上げられて自然に抜けます。その後、また同じところから新しい毛が生えてきます。そして、これを繰り返します。

このような髪の毛の生え変わりのサイクルを「毛周期」(ヘアサイクル)と呼びます。髪の毛は、成長期、退行期、休止期という段階を経て、その後抜けます。

「毛周期」(ヘアサイクル)は人それぞれ

ヘアサイクルは、年齢や性別によって若干差があります。女性の成長期は、4~6年、男性は3~5年です。その間は伸び続けます。そういうわけで、女性の方が髪の毛が伸びやすいといえますが、その女性でもせいぜい腰ぐらいまでしか伸びません。

退行期の髪の毛は、成長が遅いです。その期間は、男女差がなく、だいたい2~3週間です。休止期には、髪の毛は成長せず、ただ次の髪の毛ができて、押し上げてくるのを待っているだけです。

つまり休止期の髪の毛は、いつでも抜ける可能性がありますので、ちょっとした接触だけでも抜けます。シャンプー時に抜ける髪の毛は、ほとんどが、この休止期の髪の毛であるはずで、本来は自然なことです。しかし、抜けた髪の毛が、細くて弱々しく、生えたばかりというようなものばかりなら、抜け毛が進行していると疑わざるを得ません。

毎日100本抜ける

髪の毛が抜けるというのは、本来、寿命が来、役目を終えて、抜けるという自然なメカニズムです。概して、日本人は、約10万本の髪の毛が生えています。毎日、そのうち100本ほどの髪の毛が抜けます。100本は多いようですが、髪の毛が4~5年サイクルで生え変わっているわけですから、生理現象としては、正常な範囲です。

いわゆる薄毛とは?

薄毛とは、このサイクルの不調、異常です。つまり、成長期が非常に短くなり、そのせいで十分に成長しないまま、退行期、休止期に入り、髪の毛がどんどん細く、弱くなり、そのうえ、全体的な髪の毛の量も減少することです。

では、薄毛を食い止めるためにはどうすればいいんでしょうか?髪の毛の成長期をどのぐらい長くできるか、その一点にかかっています。成長期を本来の長さに戻すことが大切です。そのためにはなにより、規則正しい生活、バランスのとれた食事、睡眠、運動が大切であることは言うまでもありません。