AGA治療で近年注目を集めているのは「植毛」「発毛」「育毛」といったものです。その中で、植毛には少し抵抗があるという人が多く治療を受けているのが、育毛メソセラピーです。
これは発毛や育毛を促す成分、成長因子を幹細胞などを頭皮に注入することで発毛や育毛を促していくものです。しかしこの治療法が確立するまでにはかなりの時間と労力がかかっています。
もくじ
育毛メソセラピーとは?幹細胞を使って毛包再生
マウスの実験では毛包を再生する能力が優れていたバルジの細胞を採取して使用することは可能でした。しかしヒトの毛包からそれを行うことが難しかったのです。
マウスのバルジ幹細胞では、細胞の表面に特徴的なタンパク「表面マーカー」が存在することがわかっていました。表面マーカーがわかれば、それに特異的に結合する抗体を作り蛍光物質をつけて細胞に結合させれば細胞を生きたまま蛍光標識することができます。
蛍光標識した細胞はセルソーターという機械を使って効率よく分離することができるのです。この方法でマウスのバルジ幹細胞の研究が進みました。
なかなかヒトのバルジ幹細胞の表面マーカーが見つからないなかで近年ようやくCD200という表面マーカーが見つかり、バルジの幹細胞を数多く含んだ細胞分画をヒト毛包から分離できるようになりました。
困難なヒトバルジ幹細胞を使っての薄毛・AGA治療
ヒトのバルジ幹細胞はその特性を失わせることなく培養する技術がまだ確立されていません。その技術が完成したら毛包再生の非常に有望な材料になりうる可能性を秘めています。
しかし当面は通常のヒトケラチノサイトを使って毛包再生を実現する方法がとられるようです。ヒトケラチノサイトとは毛包の本体を構成する細胞のことです。
毛包を誘導する細胞に関しても同様です。毛包の発生・再生の司令塔となるのは毛包の根元にある毛乳頭です。ここにヒトケラチノサイトにタンパクなどの栄養素を混ぜたものを注入して発毛、育毛させていくのが育毛メソセラピーなのです。
その他にも育毛メソセラピーでは幹細胞由来の成長因子が使用されます。とにかく共通しているのは毛乳頭に作用して休止期に入っている毛を成長期に入らせるというものです。
薄毛・AGA対策!?育毛メソセラピーの問題点
こういった治療にはつきものですが、やはり副作用はあります。頭皮が赤くなったり、かぶれたりする人がいます。ただ最近では、電気を使ったノンニードルで痛くないものもあります。
また、何よりも大きいのは費用面かもしれません。コースによって1回、3回、6回などの回数を選べますが、保険適用外の治療になるために、1回あたり3万円~10万円ほどの高額な治療となります。そのために何度も受けるというコースを選ぶ場合などは計画的に行うことが必要となります。
薄毛・AGA対策!?育毛メソセラピーが最適な治療法?!
ここ数年間でヒトの幹細胞を使用しての発毛、育毛に関しては劇的な発展を遂げています。この育毛メソセラピーもそうですが、どういった治療法なのかを知り、その効果や問題点を医師と相談したうえで、計画的に利用していくことでしっかりとした効果が望めるでしょう。