都市伝説のように言われてきたことの一つに「オナニーをしたらハゲる」というものや、その逆に「オナニーを禁止したらハゲる」というものがあります。はたしてこれはどちらが正しいのでしょうか?もしくはどちらも薄毛にはまったく関係のないことなのでしょうか?
似たような説に「エロいものを見てばかりいるとバカになる」というものがありますが、これに関してはドイツの研究所が「事実である」と研究結果を出しています。これと同じようにそれぞれの説を解析していきたいと思います。
もくじ
オナ禁によるAGA対策-オナニーすることの問題点は2つ
射精時に栄養素が出てしまう
射精時に出てしまうのが精子だけであれば問題ないかもしれません。しかし残念なことに射精するときに亜鉛などのミネラル分やタンパク質などの栄養素が同時に射出されてしまうのです。
こういった成分は髪の毛を維持し、新たに作り出す重要な成分です。そもそも薄毛になりつつある人はこういった栄養素が足りていない傾向にあります。もともと足りていないのに、さらに体外に射出してしまうのですから、当然体内には足りなくなる恐れがあります。
男性ホルモンが変化する
実はこのオナニーしたらハゲるということについては海外でも研究されていることです。そのなかで、射精時に「男性ホルモンが悪い男性ホルモンに変化する」という内容がよく書かれています。
これは明らかに血中に存在する男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロンに変化することを示していると言えます。
実はそれ自体は非常に弱いテストステロンですが、細胞の中にある5aリダクターゼ酵素と結びつくことで、強力なジヒドロテストステロンに変化してしまいます。このジヒドロテストステロンが薄毛の原因となることを考えると、オナニーするとハゲにつながる可能性があります。
また、海藻や黒い食品が頭髪に良いとは、東洋医学からきていると思われますが、栄養学的にワカメを沢山食べたからといって髪の毛が増える根拠はありません。ストレスで若ハゲになる?ですが、若ハゲの原因がAGAの場合、ストレスが要因を占める割合は低く、AGAとストレスは関係ない!と言い切る医師もいます。因みに円形脱毛症の原因はストレスが関係している事が多いようです。
オナ禁によるAGA対策-ストレスの問題は?
若い男性であれば、「オナニーを我慢したらストレスがたまる。ストレスが薄毛につながるのでは?」と考えるかもしれません。しかしこれは瞬間的な精神面だけの話です。これも理論的に考えると射精時に亜鉛などのミネラル分が出て行ってしまう方がポイントになります。亜鉛などのミネラル分は自律神経を整えて落ち着かせる要素があります。
これが出て行ってしまっているのですから、自律神経系統にとっては良くない、つまり精神バランスは崩れやすくなり、結局感じなくても良いストレスを感じてしまうことになるのです。
オナ禁と男性ホルモン&若ハゲの関係
オナ禁やオナニーのし過ぎは若ハゲに繋がる、オナニーし過ぎるとバカになる、女性のセックスレスは老化に繋がる、などネット社会になって情報が独り歩きしている感があります。男性ホルモン&性欲(オナ禁)とAGAの関係について解説します。
agaとオナニー&男性ホルモン
男性ホルモンの分泌が多いと若ハゲになり、ヒゲや体毛が濃くなることは、今や若い男性諸氏の常識のようになっています。しかし、男性ホルモンの分泌が多いからといって、必ず若ハゲ(AGA)になる訳ではなく、男性ホルモンから変化したDHTが脱毛の原因であって、男性ホルモンがDHTに何故変化するのか?この肝心な点が未だ究明されていない部分も多く、男性ホルモンの分泌が多いと若ハゲになる!とダイレクトに結びつかない部分もあります。
因みに男性ホルモンは男性の場合、十代から50代半ばまでは、1日小さい錠剤1個分(7mg)は分泌されます。女性ホルモンが女性の一生でティースプーン1杯分しか分泌されないのと比べれば、その量は雲泥の差です。女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンが分泌されなくなりますが、50代でハゲになる女性は殆どいません。男性の場合も30~40代なら男性ホルモン分泌量の影響でダイレクトに若ハゲ(AGA)に結びつくケースは少ないかもしれません。
この男性ホルモン&女性ホルモンの分泌量から推測して、オナ禁して発毛に繋がるような、オナ禁してタンパク質を増やして頭髪を増やしたり、オナニーやSEXで頻繁に射精して男性ホルモンを減らして、体毛を薄くするとか、若ハゲを予防する事は不可能と思われます。因み女性ホルモンの分泌量と女性のホルモンバランスの微妙な関係から、女性のセックスレスは老化に繋がる!は、あながち的外れではないかもしれません。
プロぺシア(内服薬)とオナ禁&性欲減退
AGA治療の救世主として、多くのクリニックで処方されている内服薬のプロペシア(フィナステリド)。日本で処方されるようになって10年ちょっとですが、その効果は高く2017年に7年振りに改訂されたAGA診療ガイドラインでは、推奨度分類A(行うよう強く勧める)になっております。
因みに女性の場合は、推奨度D(行うべきではない)になっていて、これは妊娠との関連性からの処置と思われます。プロペシア(フィナステリド)の服用に関しては、現在、性欲減退なのどの副作用ないという見解です。オナ禁やSEXを我慢して、性欲をセーブする必要はないようです。
女性に増えているFAGA 女性の薄毛
ハゲや薄毛は男性の悩みと思われがちですが?現在、女性の社会進出に伴い、女性の生活環境変化から、薄毛に悩む女性が増えているようです。中でも女性の男性型脱毛症といわれるFAGA の方が増加傾向にあります。女性はホルモンバランスの影響が、比較的男性より強く出る傾向にあります。また、職場や家事&子育てにおけるストレス、パーマやブリーチング、シャンプーによる頭皮トラブル、妊娠による分娩後脱毛症など、女性の薄毛や脱毛症は、原因が多岐にわたり、複雑に絡み合って発症するケースがあるようです。男性のAGA治療も今世紀になって研究が進み、やっと内服薬のプロペシアが販売されるに至りました。女性の脱毛症やFAGA治療は、ホルモンバランスの関係もあり、男性のAGA治療より研究開発の進展が遅いようです。
結論、オナ禁することによってAGAが進行するか?
ここまで見てきたことからわかるように「オナニーをしすぎると薄毛になる」「オナニー禁止は薄毛治療に関係する」という可能性を完全に否定することはできません。というのもAGAの最大の原因は男性ホルモンによるものだからです。
そのため女性でAGAによる薄毛が発症することはほとんどありません。男性ホルモンによる影響である以上、オナニーというホルモンをつかさどる行為と一切関係がないということはできないでしょう。
ただ、オナニーにより放出される栄養素などは、体全体からみるとほんの一部にすぎないため、実際にそれによりAGAが進行するということはほとんど考えられないでしょう。関係があったとしても、わかるかわからないかの差ですので、オナニーを止めたからといって薄毛の進行の変化を実感することはないでしょう。
AGAの進行による薄毛は、あくまで男性ホルモンの影響で育毛サイクルが抜け毛のサイクルより短くなってしまうことが原因です。これはプロペシアなどの内服薬を服用することで、かなり改善することができます。オナニーを我慢するかどうか考えるよりは、まだ生きた毛根がたくさんあるうちに、早めにAGAクリニックに行くほうが何倍も確実に毛髪を守ることができます。